週間スケジュール(4)

Sloanの学生はどんな一週間を送っているのか? ある一年生の一週間のすごし方をまとめてみました。(2008年春学期)

時間割(2008年春学期)

必修科目(コア科目)のみで構成される秋学期が終了し、1年の春学期からは自分の学びたいことを選択してスケジュールを組むこととなります。ただ、1年の春学期はまだ準コアと呼ばれるコア科目の続編や、2年次により深くある分野を履修するためのPre-requisite科目を履修する人が多く、私も来年幅広い選択ができるように準コアを中心に履修しました。なお、選択科目には学期の前半か後半のみで終了してしまう科目も多く、私の場合、下記時間割のうち、Marketing ManagementとMacro Economicsは春学期の前半(2月初旬~3月末)で終了する科目だったので、後半は週3日お休みでした。

Mon Tue Wed Thu Fri
8:30-10:00 Decision
Methodology
for Managers
Finance
Theory II
Decision
Methodology
for Managers
Finance
Theory II
10:00-11:30 Marketing Management Marketing Management Marketing Management
11:30-13:00 Lunch Time
13:00-14:30 Financial
Statement
Analysis
Strategic Management Financial
Statement
Analysis
Strategic Management
14:30-16:00 Applied Macro Economics Applied Macro Economics Applied Macro Economics
16:00-17:30

月曜日(2クラス)

時間 行動
3:00 3時間程の仮眠から起きる。DMM(Decision Methodology for Managers)の宿題の締め切りは本日の8:30。①e-bayのオークションデータをRegression Treeを使って分析し、アイテムの種類とスタート時の価格設定からオークションの値動きを推測するモデルの作成、②Logistic Regressionにより複数の財務指標と格付の関係を分析し、ある銀行の格付を推測するモデルの作成、③クラスター分析を使って米国の大学1000校を複数の適切なグループに分類し、MITがどのグループに属するか説明するという、3つの課題を解かなければならない。レポートの骨格はほぼ出来上がったが、細部の詰めが残っている。チームメートのO君にメールを打つと、5分ほどで返信あり。彼もまだ頑張っているようだ。残り数時間、気合を入れていこう。
6:00 ようやくレポートが形になった。仕上げはDMMが得意なO君が引き受けてくれたので、まだ読み終わっていなかったMarketingのCaseを読む。
7:00 家族揃って朝食。半年前は「アメリカのパンは臭い」といってまったくパンを食べなかった娘たちが今では朝食にパンを3枚も食べるようになった。逞しくなったものだ。
7:40 長女と共に家を出る。オフキャンパスに住んでいるが、車ならば20分程度でSloanに到着する。行きがけに長女を幼稚園に送り届けるのが日課。こうして子供と一緒に通学できるというのは貴重な体験である。
8:35-9:55 DMMの授業。レポートを無事提出。中途半端な時間に授業が始まるが、Sloanでは授業は定刻の5分遅れで始まり、5分早く終了することがルール化されている。(Sloan Timeという)このDMMは秋学期にコア科目で履修したData, Models, and Decisions(DMD)の続編で、いかにして経営判断にデータ分析を役立てるかを学ぶコースである。数学的な知識を要求されるので、文系バックグラウンドの自分には一番辛いクラス。
10:05-11:25 Marketingの授業。今日はMountain Dewという炭酸飲料が題材。まずは商品性や市場における位置づけについてCaseに基づいてディスカッション。その後、CM案6本を見比べて、会社が実際にどのCMを選択したのか、それが正解だったかどうかを議論した。実際に商品が配布され、それを飲みながら議論をするというのもなかなかオツ。
11:30-13:00 Lunchタイムを使って明日以降の授業のCaseを読む。図書館で飲食できるので、食事をしながら勉強できる。
13:05-14:25 Financial Statement Analysis。米国企業会計とValuationを学ぶクラス。食後なので少し眠たいが、アカデミックな授業が多いSloanにあって、数少ないビジネスに直結するスキル(Valuation等)を磨くことのできるクラスでもあるので、気を引き締めて受ける。
14:35-15:55 Applied Macro and International Econ。さすがに連続で4つ目の授業ともなると集中力は途切れがちなのだが、この授業の名物教授は非常にテンポよくディスカッションを進めてくれるので、疲れを感じることなく1時間半があっという間に過ぎる。今日はチリの経済政策について議論を行った。
16:00-17:00 FinanceIIのチームミーティング。明日提出の宿題についてディスカッションを行う。
18:00-24:00 帰宅後、家族と夕食をとる。その後は自室にこもって明日の予習と宿題をこなす。明日は2コマしかないので、どちらかというと水曜日の分の予習が中心となる。渡米以来すっかり朝型になってしまい、眠くなったら直ぐに寝てしまう。

火曜日

時間 行動
4:00 起床。メールをチェックすると本日提出のFinanceⅡの宿題が韓国人チームメートのJ君から届いていた。キャッシュフローモデルを一部修正して、提出版を作成する。各科目、バックグラウンドのある人間が仕上げをやることが多く、僕もファイナンス系、会計系は大抵仕上げ係を務める。
6:00 少し時間に余裕があったので、インターネットで日本の記事等を検索。
7:00 朝食→幼稚園→Sloan登校
8:35-9:55 Finance IIの授業。今日はケースディスカッションではなくレクチャー。教授による最適資本構成に関する講義を聴く。
10:05-12:00 図書館で自習。日本の新聞も置いてあるので、勉強の合間の息抜きに記事を流し読む。
12:00-13:00 Marketingクラスの教授と一緒に昼食を取る。授業とはあまり関係のない話で盛り上がる。こういった昼食会は稀だが、教授との距離が比較的近いのもSloanの魅力だ。
13:05-14:25 Strategic Managementの授業。今日はMark TwainというRegional Bankingを手がける銀行の経営戦略についてケースディスカッションを行う。Citi Bankのような大手金融機関の出店によって、果たしてMark Twainの競争優位性は揺らぐのだろうか?CaseではMark Twainがあっという間に利下げ競争の波に飲まれるかのように見えるのだが、その企業の競争優位性を深く掘り下げていくと意外な事実を発見することができる。世の中で騒がれる「競争」が本当に「競争」なのか、考えさせられるCaseだった。
16:00-18:30 木曜日提出のFinance IIの宿題のためチームミーティングを行う。1時間で終わらせるつもりであったが議論が白熱し、予定の2倍以上掛かってしまった。
19:00-26:00 夕食→自習
月曜日の4連続授業の準備は金土日と3日かけて行うことができるが、水曜日の分については追い込まれがちになる。したがって、火曜日の夜が一週間のうちで一番ぴりぴりする。この日ばかりは、子供が寝る前の本の読み聞かせもやる余裕がない。

水曜日

時間 行動
5:00 起床。MarketingとFSAの宿題のチェック。さすがに今日は起きるのが辛かった。Marketingの宿題は8つのCaseの中から自分たちで任意に4つのCaseを選んでReportを提出するという課題選択式。今回が4つ目なのでこれにて宿題は終了となる。
7:00 朝食→幼稚園→Sloan
8:35-9:55 DMM授業。今日はMoneyballという本が題材。90年代後半から4年連続でメジャーリーグのプレーオフに進出したオークランドアスレチックス(OA)の話である。OAは資金量に乏しくスタープレーヤーをまったく獲得できない万年ダメ球団。そこに赴任してきた新GMのBillyが、「選手の実力と年棒は完全には比例していない」ということ(当たり前のような気もするが、、、)を統計学やデータマイニングを駆使して分析。「格安だが最高峰の実力を持つ選手」を次々と発掘していきチームを勝利に導く。そのデータ分析手法について学んだ。見捨てられた選手を集めて最強集団を作り上げて行く様は、まさに映画メジャーリーグの世界。リッキー・ボーンのようなピッチャーがいたかどうかは知らないが。
10:05-11:25 Marketing授業。アメリカンコミックの出版を手がけるMarvel Entertainmentが題材。スパイダーマンや超人ハルクといった人気キャラクターを保有するMarvelが、どのように単なる出版社からキャラクターを活用した「タレントエージェント」的なビジネスに進出して行ったのか、また、ビジネスモデル転換期におけるリスクをどのようにマネジメントしたのかについて学ぶ。
12:00-13:00 General Management Club主催のランチセッションに参加。インドの実業家を呼んで、インドの中小企業の現実と事業承継問題をテーマにした講演だった。IT系、IB系企業の公演が多い中、なかなか渋いテーマで面白かった。国や文化は変われど、人の悩みは突き詰めていくといずこも同じらしい。
13:05-14:25 FSAの授業。今日は粉飾決算を見つけるノウハウを学ぶ。銀行業務が長い身としては学ぶところが少ないのではないかとタカを括っていたものの、日米の会計規則の違いによる発見ポイントの差を学ぶことができて、目からうろこ。
14:35-15:55 Macro Econ授業。今日はインドの経済発展について。コールドコールの嵐が吹き荒れるこの授業も、授業開始時にさっさと手を挙げて発言しておくと、その後の突然の指名は避けられる。睡眠不足のため、今日はコールドコールに耐えられる集中力は保てないと判断して授業開始後数分でさっさと挙手、発言。守りに入ってしまった。
16:00-17:00 仮眠を取りたかったのだが、タイ人のN君に誘われてつい卓球に興じてしまう。Sloanでは、今年、09が中心となってPing Pong Clubを結成。僕もメンバーとなっている。意外に卓球はSloanでは人気のスポーツで、オーシャン内だけでも5人くらい本格的なプレーヤーがいる。
17:00-18:30 Marketingのチームプロジェクト打ち合わせ。タイ人2名、日本人2名という組み合わせのチームだ。Nintendo Wiiの北米広告戦略について、どのような切り口で分析するかを話し合う。2週間後にはクラスでのプレゼンテーションを行わなければならないので気合が入る。
19:00-21:00 3月に実施するJapan Trekの打ち合わせ。今年は参加者が235人という大規模なTrekになるので、準備もなかなか大変。1時間の予定のミーティングが時間をオーバーすることも度々。
21:30-25:00 軽く食事を取ったら明日の予習。さすがに今日は疲れたので、勉強が手に付かず、だらだらと本を読んでいるうちにソファーで熟睡。

木曜日

時間 行動
4:00 昨晩ケースを読みきらずに眠りに付いたので、目覚ましなしで飛び起きる。まだ、3時間あったのでほっとする。
7:00 朝食→幼稚園→Sloan登校
8:25-9:25 Finance II授業。Ameritradeという映画の興業権に投資を行うファンドを題材とした架空のCaseを使ってReal Option理論の実務への応用について学ぶ。シリーズ化される映画(Back to The Future、Spiderman等)は1作目の興行成績から2作目以降の収入を推測できることから、2作目を製作するかどうかの「判断」にどれだけの価値があるのか?NPV理論の応用であり理解はできるのだが、そのまま実務で使うのは難しいなぁと思いながらディスカッションに参加する。
12:00-13:00 Japan Trekインフォセッション。Japan Trekに向けて参加者の気持ちを高めると同時に、日本旅行のTipsを提供する。仲間たちが勉強で忙しい中準備してきた、様々なスライドやスピーチで参加者を沸かせている。日本人学生のクリエイティビティとホスピタリティはMITの中でも結構いい線をいっていると思う。
13:05-14:25 Strategic Management授業。衛星放送のBritish Satellite BroadcastingとSky Televisionの顧客獲得戦略についてのディスカッション。クラスを2陣営に分け、シミュレーションモデルを使って勝負を行ったが、結構白熱した戦いとなり大いに盛り上がる。ただ、モデルへのインプットが単純すぎるのでどこまで結果を信じてよいのかは疑問だ。
15:00-16:30 FinanceIIチームミーティング。来週火曜日期限の宿題についてディスカッション。
17:00-18:00 帰宅後、土日に買いだめしておいた食材が切れてきたので家族総出で買い物に。家内曰く、アメリカの食品は一つ一つのサイズが大きいので、買い物には車と男手があると便利とのこと。確かに。最初は驚いたとんでもないミルクのサイズにもだんだん慣れてきた。
18:00-19:30 夕食後、本を読んだり、インターネットで日本のニュースを読んだりとのんびり。
20:00-22:00 家族でC-Functionに参加。Sloanでは毎週木曜日の夜にC-Functionというイベントが開催される。お酒を飲みながら友人やその家族と語らい、リラックスしたムードで週末を迎える。本当は23時までやっているのだが、小さい子供がいるので、22時頃退散。
22:00-24:00 帰宅後、明日の予習をして就寝。

金曜日

時間 行動
6:00 今日は1限がないのでゆっくり起床。BBCニュースをインターネットで聞きながらメールチェック。
7:00 朝食→幼稚園→Sloan登校
8:30-10:00 いつも通り学校に到着後、図書館で自習。
10:05-11:25 Marketing授業。今日はケースディスカッションではなく、広告戦略に関するレクチャー。レクチャーの日はクラスの雰囲気もややのんびり。
12:00-13:00 Marketing Club主催の乳製品メーカー、ダノンによるカンパニープレゼンに出席。世界的なヒット商品となったBioシリーズをどのようにヒット商品に育てていったのか、その戦略を学ぶ。「14日間利用して効果が現れなかったら返金する」という販売ポリシーがどのように生まれたのかについての話は興味深かった。もちろん、Bioをたくさんお土産としてもらった。効果あるかな?
13:00-14:30 Strategyのチームミーティング。月曜日提出の課題についてブレインストーミングを行う。チームミーティングはSloanの建物の2階にあるミーティングルームで行うことが多いのだが、数が少ないのが悩みの種だ。2010年には新しい校舎が完成し、こういった悩みから開放されるそうだが、残念ながらその頃には卒業している。
14:35-15:55 Macro Econ。今日はアフリカの経済発展と支援について学ぶ。欧米におけるアフリカに対する注目度は高く、学生も様々な意見、知識を持っている。日本でももちろん関心が低いということはないのだが、こういう場面で、日本と海外の意識の違いを思い知る。
16:00-17:00 MITのインドアコートで、カナダ人のD君、中国人のY君とテニス。Golf場が閉鎖される冬場は卓球とテニスくらいしか体を動かすことがない。春が待ち遠しい。
19:00-23:00 今週も終了!米国人のA君らと飲みに。今日は彼のお気に入りの和食屋?で軽く食べた後、Beacon Hillにあるスポーツバーに行った。お酒が入ると英語が滑らかになる(気がする)し、彼らと飲むと、色々なスラングや米国人の生の考え方を学べるので面白い。しかし、早くJapan Trekで彼に本物の和食を味合わせてあげたいものだ。

土曜日

時間 行動
7:00 起床。休みの日はゆっくりしたいと思うのだが、子供たちは休みの日こそかまって欲しいらしく、毎度、たたき起こされる。
9:30 New England Aquariumに行く。寒い冬はボストン周辺では子供が遊ぶ場所が限られてしまい、ここ水族館かChildrens’ Museum、Harvardの自然博物館に偏り勝ち。毎度毎度同じ魚を見てよく飽きないなとも思うのだが、それでもお出かけは楽しいらしい。年間会員になっているので、列に並ばずにさっさと入場。この寒い中、結構な行列ができているので、皆あまり行くところがないのだろうなぁと思う。春になれば、近郊の果樹園に果物狩に行けるので、それまでは室内遊戯で我慢。
12:00 近くのシーフードレストランでランチの後は、今夜我が家でパーティがあるので、その買出し。秋に行ったチャリティーオークションで「和食パーティ」というのを出品しており、今日はそれを落札してくれたクラスメートを招待するという企画。落札金額200ドルは、慈善団体へ寄付された。
15:00 料理の仕込み。結構、料理はするほうなので、家内の邪魔にならない程度にお手伝い。
17:00-21:00 落札してくれたのは4名だったが、どうせなら大勢いたほうが楽しいので結局20人近く呼んでしまった。おでんと散らし寿司が大好評だった。事前に食事に関する制限をさりげなく聞いておいて、誰もが何かを食べることができるようにしなければならない。日本では想像もしなかった、そんな気配りも必要。お約束の日本酒も大好評。友人は皆必ず何かを持ってきてくれる。パーティの後に、パーティの前よりお酒が増えていることもしばしば。娘たちもマスコットとして大活躍だった。
21:00 パーティの後片付け終了後、家内が録画しておいてくれた日本のドラマを見ながら飲み直し。

日曜日

時間 行動
6:00-10:00 今日は買い物に出かけるので、早朝に宿題を片付けておく。
11:00-16:00 郊外のNatik Mallというショッピングモールに買い物に出かける。ボストン中心部から1時間ほど走ったところには、比較的大きなショッピングモールが点在するのだが、品揃えも、価格もボストン内よりも魅力的なことが多い。ここにも月に1度程度しか来ないので、一度いくと丸一日買い物をしてしまう。
17:00-25:00 帰宅後夕食。その後は来週の予習。